- 社会人が働きながら英語やTOEICの勉強をするのは正直シンドイ
- TOEICでいい点数を取ったら、本当にメリットあるのかな?
- 社会人にとって大きなメリットがあるならチャレンジしてみたい
そんな悩みや疑問に今回はお答えしていきます。
結論から言いますと、社会人がTOEICの勉強をして高得点を取ることは莫大なメリットがあります。
昇進・昇格、または転職など、個人の能力を最大限アピールして自分の市場価値を高め、現代の厳しい社会を生き抜いていくためにもTOEICの影響力は十分に活用できます。
今回は様々なデータを基にTOEICの重要性を理解し、更には独学でTOEIC880点を取得した僕自身の体験談も交えてTOEICのメリットを存分にお伝えしていきたいと思います。
この記事を読むことで「TOEICって、受けてみた方がいいのかな?」なんていう中途半端な悩みは吹き飛び、すぐにでも勉強を始めたくなるはずです。
TOEICとは?TOEICの基本知識を理解しましょう
ここではまず前提知識としてTOEICにまつわる基本的な情報をお伝えしていきます。
特に今までTOEICを受けたことがないという方は是非ここで理解を深めていただければと思います。
TOEICの概要
TOEICとは「Test of English for International Communication」の略で、世界160カ国で実施されており、日本では毎年2,000人以上の人が受験しています。
英語の必要性を強く感じている会社が増え、「英語がデキる」人材の価値は高まる傾向が見て取れます。
国内の企業や団体の約45%が社員採用の時にTOEICスコアを参考にしています。
TOEICの種類
一口に「TOEIC」と言っても、実は5つの異なるTOEICテストが存在することをご存じでしょうか?
一般的に「TOEIC」と言えば、「TOEIC Listening & Reading Test」を指します。
TOEICの特徴
TOEICでは5~990点の中で、5点刻みでスコアを算出し評価します。
そうすることにより、テストを受けた時点での英語の実力を細かく把握することができます。
例えば英検のように級で表す場合、ギリギリの合格でもぶっちぎりの合格でも、合格者としてひとくくりにされてしまいます。よって、英語力のわずかな違いがわかりにくいんですよね。(現在は英検CSEスコア導入によりスコアでの判断もできるようになりました)
それに対してTOEICでは5点ごとのスコアにより自分の実力が細かく見えますので、目標と現状の差が非常にわかりやすいのが特徴の一つです。
セクション、パート、問題数、時間、配点は以下の通りです。
TOEICのレベル目安
- 実際のところ、何点くらいを目指せば大丈夫なの?
- TOEICテストで何点取れば英語ペラペラと言えるレベルになるの?
ってところが気になりますよね。
2つのデータを基に解説していきます。
まずはTOEICを運営しているIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が公表している相関表をご覧ください。
TOEIC公式HPより引用
ですが実際のところ、上の表で言われてる通りのレベルでコミュニケーションを取ることはかなり難しいです。
例えば220点~470点の人は「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」と書かれていますが、200点台、300点台レベルの人が最低限のコミュニケーションを取ることは極めて難しいです。(普通無理です)
参考までに、僕が考えるTOEICスコアと能力の相関については以下の通りです。
300点台 | 英語超初心者。知っている単語も少ないため、単語から英文を推測することもできない。 |
400点台 | 短い英文で、簡単な単語で構成されていれば意味がなんとなく理解できるレベル。中学1~2年程度の英語力はありそう。 |
500点台 | 短い英文で、時間をかけて読めば比較的正確に英文の意味を理解できる。中学卒業レベル程度の語彙力がある。短い英文であれば音声を聞いてある程度理解できる。 |
600点台 | 英文を構造的に理解できている。少し難易度の高い単語も覚えている。英語の聞き取りはかなりできるようになっている。 |
感覚的には500点を超えてこれば少しずつ英語を使ったコミュニケーションができるようになってくると思いますが、それでもビジネスシーンで英語を使うには基礎力が無さすぎます。
英語を学習する目的にもよりますが、英語を”使う”ことを前提としているのであれば最低でも600点以上は取っておきたいですね。
IIBCが行った2021年のデータによると、社会人の平均スコアは公開テスト640点、IPテスト533点となっています。
『2021年度 受験者数と平均スコア』より
このデータを見ても、昇進、昇格や転職を目指している人は最低でも500点以上、欲を言えば600点以上は取得しておいた方が良さそうですね。
TOEICを受ける・勉強することで得られる6つのメリット
目標と現状のギャップを数値で把握できる
英語を学習する上で「どこまでの英語力を目指すのか」を決めることは非常に重要です。
そして、TOEICではその「どこまでの英語力を目指すのか」と、「今自分にどれだけの英語力があるのか」を評価するのにとても優れています。
なぜなら、先述した通りTOEICでは英語の実力を5~990点の5点刻みで評価するので、より詳細に英語の実力を知ることができるからです。
例えば目標スコアが600点で、最新のスコアが590点だとした場合、距離的にはかなり近いので安心感がありますよね。
もちろん目標達成できていないのですが、あと少しの努力で達成できそうな希望が持てます。
逆に最新スコアが505点だったら、目標からはかなり遠いことがわかります。この場合、しっかりとした挽回計画を立てて次のテストに臨む必要がありますよね。
- 目標を作る
- 現在の実力を知る
- 目標と現状のギャップを測る
- ギャップを埋める計画が立てられる
これらを全て数値で把握できるというのはとても便利で、普段から業務で数値やデータを扱う社会人にとっては親近感を持てると思います。
英語学習に対するモチベーションが維持できる
TOEICを勉強して英語力を上げていくことは、モチベーション維持にも役立ちます。
なぜなら、勉強して成果を出すことが、思い描いている目標の姿と直結するからです。
例えばあなたが昇格要件を満たすためにTOEICの勉強をする場合、TOEICのスコアが上がっていけばそれだけ昇格に近づいていることが実感できます。
逆に勉強をサボってTOEICスコアが上がっていかないと、自ら昇格のチャンスを潰すことになるので嫌でもプレッシャーがかかります。
TOEICは単なる英語の勉強というだけではなく、社会的地位も向上させてくれると思うともっとやる気がでてきますよね。
ちなみに僕は、初めてTOEICを受けた時が400点で、その時は600点を超えることを目標にしていました。
いざ600点を超えるとどうせなら700点も超えたい、いざ700点を超えるとせっかくなら800点も超えてしまおうと、いい意味で欲が出たおかげで最高880点まで到達できました。
仕事上でのアピールポイントになる
TOEICで高いスコアを獲得できれば、仕事をする上での強力なアピールポイントを持つことができます。
なぜなら、TOEICのスコアを昇格、昇給要件として設ける企業が増えてるからです。
実際僕の会社では昇格の要件としてTOEICのスコアが設定されており、目標スコアを獲得できていないと出世することができません。
とても残念なことに、TOEIC目標スコアを達成できなくて昇格待ちをしている人がうじゃうじゃいます。
ちなみに、僕のカナダ赴任も英語力が決め手だったと後に上司から聞きました。憧れだったカナダに選んでもらえたのも、TOEICを頑張って高いスコアを取得していたおかげです。
英語がデキると昇給、昇格、転職で有利となり明るい将来が期待できる反面、これからは英語がデキないと貧乏くじを引き続けることになるかもしれませんね。
日常生活やビジネスの場面で使える表現がいっぱい
TOEICで高いスコアを取れると、そのままリアルな会話の場面でも非常に役に立ちます。
TOEICで出題される問題は日常生活やビジネスシーンを切り取ったものが多いので、その内容を理解できるということはリアルのシーンでもそのまま応用を利かせられるからです。
個人的に特に重宝しているのがパート2とパート3の英文です。
ネイティブスピーカーが実際に使うフレーズが多く含まれていますし、フレーズや表現を覚えておけば中身の単語を変えることでそのままオリジナルの表現として使いまわすこともできます。
TOEICに何度もチャレンジするとすぐに使える英語表現が自然と身に付き、たくさんストックできますので、リアルな会話の場面でも素早く対応できるようになります。
英単語、英文法を覚えるキッカケになる
TOEICでスコアを上げていくうえで、英単語を知らなかったり英文法を身に付けていないとは致命的ですので、スコアを上げる過程で必ず一度は必要性を感じ、勉強するはずです。
このように、普通は敬遠されがちな英単語と英文法ですが、「TOEICのスコアを上げる!」という目的があるからこそ勉強するキッカケになります。
英単語を豊富に知っていたり、正しい文法で英語を話せるということは英語でのコミュニケーションを円滑にします。
特に将来英語を使って仕事をしたいと考えていたり、海外に赴任したいと考えているならなおさら重要性は高いです。
英語の基礎力をガッチリ固められる
英語を習得することはスポーツにも似ているところがあり、基礎力があればあるだけTOEICスコアが上がったり、英語を上手に話せるようになります。
サッカー少年で考えても同じですよね。試合以外練習しない子より、日頃からランニング、ドリブル、パスの基礎練習を積んでいれば選手としても成長するし、試合にも活きてきます。
それと同じで、英語も基礎的なことを何度も反復することによって基礎力がガッチリ固められ、英語が上手になっていきます。
TOEICは基礎の反復をするには最適です。
そもそもTOEICで扱われる英文はそれほど難易度は高くないのですが、限られた時間内に多くの英語を次々に聞き取り、読み取り、答えを出さなくてはなりません。
単語に関しては日常生活やビジネスシーンで比較的よく使われる程度の英単語だし、文法も中学卒業レベル(より少し上)くらいのレベルの英文です。
このように、難しくないことを早く処理するという作業自体が基礎の反復になりますので、テスト勉強をやっているようで実は英語の基礎を固めるトレーニングにもなっているのです。
TOEICテストに関する3つのデメリット
TOEICを受けることで何かを損するワケではないですが、一応デメリット(というか注意点)があることもお伝えしておきたいと思います。
試験時間が長い
TOEICの試験実施時間はトータル120分(リスニング45分/リーディング75分)と、とても長丁場の試験です。
試験自体は120分ですが、試験前に解答用紙に必要事項を記入したり、注意事項や諸連絡を聞く時間を含めると拘束時間はもっと長くなります。
僕の周りでも、試験時間が長いことにストレスを感じてTOEICが嫌いになる人は結構多いですね。
なので、特にまだ英語力が低いうちや、TOEICに慣れていない状態ではキツイと感じると思います。
しかし、何度か受験してスコアが伸びていくにつれて、不思議と時間が長いと感じなくなり、むしろ「全部の問題にちゃんと解答したいから、もっと時間が欲しい!」とすら思うようになります。
最初こそ試験時間の長さに圧倒されますが、真剣に取り組めば問題と思わなくなりますよ。
初心者にとってはテストの難易度が高い
TOEICは階級でテストを分けるという概念がなく、全員が同じテストを受験します。その中で英語力を5〜990点で評価します。
ということで、英語上級者も初心者も全く同じテストを受けるということになります。
テストの中には当然上級者に向けた問題もたくさん含まれており、初心者ではそれらの問題に到底太刀打ちできません。
そもそも英語に慣れていないうちはその問題が初心者向けなのか、上級者向けなのか判断できないので、全ての問題にフルパワーで挑んでしまい疲弊します。
その状態が2時間続くのはかなりの精神的苦痛ですよね。
スピーキング力は測れない
TOEIC L&Rでは、実際に話す力(スピーキング力)があるかどうかは測れません。
なので、残念ながら「TOEICの点数が高い=英語が話せる」という公式が成り立たないということになります。
ただし、例外もありまして、TOEICの教材を音読やシャドーイング材料として活用していたら話は別です。
TOEICの問題を何度も読んで自分で完璧に発音できるよう試みたり、シャドーイングを日々続けていればスピーキング力も向上していきます。
【まとめ】TOEICで英語の基礎力を固めよう
今回の記事ではTOEICのメリットについて解説してきました。
TOEICは仕事上でも何かとアピールの種になりますが、それ以上に『英語力の基礎力を固める』という点において非常に役立つテストです。
実際に僕がカナダで現地のメンバーと業務に関するミーティングができたり、問題の対策について議論したり、仕事に対する熱い想いを語り合ったりできたのはTOEICで英語の基礎を固めていたからです。
TOEICはリスニングもリーディングも、考える暇がないくらいの早さで次々に問題を解いていくスタイルです。当然早い英語の展開にも慣れてきます。
そんなテストで高得点が取れるようになれば、リアル英会話でも十分に力を発揮できるようになります。
TOEICのメリットを120%活用して、仕事のアピールやネイティブスピーカーとの会話に役立てられると素晴らしいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が参考になりましたら幸いです。